【東洋美術学校×MUGENUP #2】線画に大事なのは経験ではなく……!?

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東洋美術学校とMUGENUPの産学連携講義「仕様書から読み解くイラスト実践講義」の第2回目の様子をレポートします。

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線はしっかりと閉じましょう!

今回のテーマは線画です。授業は、前回に提出してもらった課題の振り返りからスタートしました。まずは線画の作業において基礎的だけどミスが多発しがちな「線の閉じ忘れ」について注意をしました。

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▲線が閉じていないと「バケツ塗り」できません!

ラフを線画に起こすときには、しっかりと線を閉じておきましょう。そうしないと、塗りの時に面倒なことになります。ひとりで1枚のイラストを描くときは結局自分が修正しないといけないし、分業の場合は塗り担当者に迷惑をかけてしまいます。

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▲細かい部分は拡大してチェックするようにしましょう。

線画のコツは経験!?

ここからが授業本番です。MUGENUPアートディレクターの線画担当者に「線画のコツってなんですか?」と聞いた所「経験!」という答えが返ってきたエピソードを冒頭で紹介しました。
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え!? 経験・・・・・・といわれると困りますよね。大丈夫です、ここからが本番。講義では線画に大切な3つのコツをご紹介しました。

コツ1:線画の太さによって遠近・質感をつける

ひとつめは「線の太さ」のコントロール方法です。
太い線:距離が近いもの(手前にあるもの)、オブジェクトの輪郭表現
細い線:距離が遠いもの(奥側にあるもの)、質感表現、細かい部分
というように意識的に線の太さを使い分けることで、メリハリの有る良い線画になります。

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線の太さを使い分けると、「あれ、この部分どちらが手前にあるのだろう?」とか「これは、服の一部? それともアクセサリー?」といった混乱を避けられます。

コツ2:線の入り抜き技術

「線の入り抜き」とは、一本の線を引く時の「入り=描き始め」と「抜き=描き終わり」のことを言います。意識的に、入りと抜きの線を細くすることで線に抑揚がついて、柔らかい質感を表現できます。

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逆に、オブジェクトがつながっている場合は、入り抜きで線の太さを変えないようにして、「ここはつながっていますよ!」ということが分かりやすいようにしておくことも大事です。

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コツ3:線の質の適材適所を考える

最後は線の質の選択です。シャープな線が良い場合もあれば、あえてギザギザした輪郭が良い場合もあります。具体例を見ながらご説明します。

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【硬い線画】では、ギザギザ(アンチエイリアスがかかっていない)な線を用います。硬い線画で描かれたイラストを塗っても、線と塗りは基本的になじまないので、完成しても線がしっかりと残って見えます。線もあえて見せたい、ゆるキャラなどでは有効な手法です。

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【ペンツールの線画】は、ギザギザはしていないけど輪郭がぼやけてはいない中間的な線です。多くのゲームイラストを始め、多用される基本的なスタイルです。ペンツールの線画を塗ると、塗りと線が程よくまじり、線は見えるけど目立ち過ぎない仕上がりになります。

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【ブラシの線画】では、最もボヤけた味のある線を用います。描く人によってかなりムラが出るので、個性が出やすくなります。3種類の線画の中では、最も塗りに馴染みやすいので、線を極力見せたくない場合や、最終的に線も着色して完全に消してしまいたいときにおすすめです。

線画で大事なのは「丁寧さと気遣い」ですね

線画ひとつをとっても、結構奥深いことが分かっていただけたでしょうか? 線画はラフをしっかりとした形に仕上げるだけではなく、塗りへの橋渡しをする大事な作業です。

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分業で絵を描いたり、クライアントとの間でやりとりをしたりすることも多い時代です。雑な線は、塗り工程の誰かに迷惑をかけることになります。上でご紹介したコツを身につけると同時に、「丁寧さと気遣い」を忘れないようになれると、良い線画師になれると思います。

次回の講義では「ポートフォリオ講評」を実施します。

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