フリーイラストレーターがはじめて仕事を受ける前に覚えておきたい4つの事 (TDG講義レポート)

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やった! はじめてイラストの仕事依頼が!

クリエイターにとって自分指名のお仕事は嬉しいもの。どんな有名クリエイターにも「最初の仕事」があったはずです。

MUGENUPのアートディレクターに聞いてみると、「地元のバイト先の店長の似顔絵(油絵)」「友だちの紹介で描いた同人誌の表紙」などなど、いろんな最初の仕事がありました。一方で「今思えば、もっと値段を上げればよかったし、丁寧に描いて時間がかかりすぎた」「できない事を提案してしまって素人感のある仕上がりになってしまった」など、ほろ苦い思い出になっている人も少なくありませんでした。

最初のお仕事は、相場観も勝手もわからず不安なもの。今回は、東京デザイナー学院さんで講義をした「東京デザイナー学院×MUGENUP 特別講義 イラストのお仕事について」をレポートする形で、最初の仕事への備え方をお届けします。

1.「その仕事やります!」と言う前に、条件をしっかり確認しよう

仕事の依頼が届くと、嬉しくなって思わず「はい! やります!」と答えてしまいたくなりますが、ちょっと待って下さい。自分の実力にあっているか、スケジュール的に対応できるか、価格は労力に見合っているか……本当に確認しましたか?

少しでも不明な点があれば、遠慮なく「ご相談いただいた案件に興味があるので、詳しい内容を教えていただけますか?」とストレートに質問しましょう。

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納期工程(全部か部分担当か)差分の有無背景の有無・テイストのサンプルを見て対応できそうかの確認指示書はあるか納品形式に対応できるかイラストのサイズチェックバックの方法や回数などをきちんと把握して、判断しましょう!

2.本当に大丈夫? 無理して引き受けない!

さて、詳細が把握できた上で「今回は厳しいかも……」と思うものの「ここで仕事を断ったら次から依頼がないかもしれない」と不安になる方も、少なくないのかも知れません。

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でも、大丈夫! 引き受けることが厳しい場合はキチンと理由を伝えれば、次のチャンスにつながります。「申し訳ありません、今回は◯◯の理由で△日までスケジュールが確保できないので見送りたいと思います。△日以降でしたら、作業できます。」というように具体的に状況を伝えることがポイントです。

3.契約内容は納得がいくまで確認しよう

お仕事に着手する前に、多くの制作会社では個人クリエイターさんと「業務委託契約」を締結します。ケイヤクショ……細かい文字に難しそうな内容……思わず読まずにサインしちゃいそうですが、ちょっと待って! 契約書には大切なことがたくさん書かれています。

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ここでは契約書のチェックポイントを簡単に解説します。

契約相手は誰か?

あなたと契約を結ぶ相手は、企業でしょうか個人でしょうか? 知らない会社名が契約書に書かれていないか確認しましょう。

契約範囲は?

イラスト制作に限った契約なのか、もっと幅広く制作全般に関する契約なのかは特に注意したい点です。

お金の支払

「支払期限」「提示された金額は、源泉徴収前か後か?」「支払い方法」は最低限確認しましょう。源泉徴収とは、法人から個人に制作費等を支払う際、法人が個人の代わりに税金を支払う仕組みです。源泉比率は10.21%で、その分を引かれた額が個人クリエイターに支払われます。

契約期間・契約解除

今回1回だけの契約、一定期間で終了する契約、自動更新される契約など様々です。また、契約を解除したい場合に、どのような手続きや期間が必要かも把握しておきましょう。

著作権や機密保持

作品の著作権が完全にあなたに帰属するのか、一定の制限がかかるのかを必ず確認しておきましょう。契約に応じては、実績公開前にクライアントの許可が必要になるなど、機密保持にも関わる事も。うっかり……では済まされない場合もあるので、しっかりと把握しておきましょう。

4.適正な報酬について知っておこう

クリエイティブの世界はとってもシビアな実力主義の世界です。「他のクリエイターは何円で仕事を受けているのだろう……」と気になりますが、なかなか正確な金額は把握しづらいものです。そこで、今回は「時給換算」で仕事の報酬価格を判断する方法をご紹介します。

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例えば、上記の依頼。キャラデザ、塗り、背景、エフェクト……全部任されて20,000円という依頼だとしましょう。このレベルのイラストだと、自分なら約30時間で描けるとすると、「20,000円÷30時間=時給666円」です。さすがに割りに合わないですよね。もっと金額をあげられるよう、交渉してみましょう!

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こちらの例は、ラフを用意してもらい線画を起こす作業です。金額は4,000円ですが、2時間もあれば完成できそうだとします。「4,000円÷2時間=時給2,000円」となり、先程よりはずいぶん良い条件と言えそうです。

このように、あくまで概算ですが「時給換算」をしてみることで、非常識に安い案件を見ぬくことができます。また、自分の作業速度を上げると時給が上がるようなものなので、技術習得のモチベーションにもなりますね。

以上、「初めての仕事を受ける前」に知っておきたいポイントでした。小さなものでも仕事の依頼が来たら、プロの仲間入りです。自分の力にあった仕事を選び、実績を積み重ねていきましょう。

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